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江戸川出身で、法学と外国語と体育の学部を卒業したお魚さんがお話しします。

英語発音講座 ①発音記号 子音編

こんにちは。お魚さんだよ。

このブログではわたしの積み重ねてきた専門知識とか日常の鬱憤だったりとかを紹介していくよ。

f:id:edocation:20190505014227j:plain一発目は国語学の知識を放出しちゃおうかな。

 

発音講座①:発音記号

お魚さんのこれまでの経験上、日本人だけではなくネイティブでも「英語がうまい人」と感じやすいのは、「流暢さ(文章を次々とそつなく言えること)」もそうだけど「英語の発音がネイティブに近い」というポイントも大きいとお魚さん思うんです。

もちろん基礎的な文法や語彙も大事だけど、ここでは英語の発音を少しでもネイティブに近づけるにはどうしたらよいのかを紹介していきたいと思います。

まずは発音講座の①ということで、発音を学ぶ上で絶対に必要となる発音記号についてご紹介していきましょう。

発音記号…↓のような記号を、英語の授業で習ったり単語帳などどこかで見たことはあるのではないでしょうか。

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発音記号の例。こんな記号、どこかで見たことあるよね?

英語の発音方法を文字で表したものなのですが、正直読み方もよくわからないし、カタカナで書いてもらったほうが分かりやすい…英語の授業で暗記させられたせいで未だに苦手意識がある…きっと、そんな英語学習中でそんな考えを持たれる方も少なくないのではないかと思います。

この記事では、
・発音記号はなぜ重要で、どのように役立てていくのか
・発音記号の基礎的な読み方
を、発音記号の一覧を見ながらご紹介していきたいと思います。

ちょっと専門的な話も混じってきてしまうけど、「へえ、そんなもんか」と思いながら見ていただけたら嬉しいです。

 

発音記号はなぜ重要?

発音記号(国際発音記号、IPA)は言語の発音を文字で表現すべくつくられたというコンセプトのため、英語だけではなく日本語やフランス語などの発音も文字で表すことができます。

対して、現在英語の振り仮名として当てはめられることが多いカタカナというのは、漢文を読解するために漢字をもとに日本で発祥したものと考えられています。

つまり、発音記号とカタカナというのはそもそものコンセプトが異なるどころか、表現できる音声の幅も全く異なるのです。
発音記号があらゆる言語の読み方に対応できるのに対し、カタカナはそもそも日本語の音声しか表すことができません。

初学時点での取っ掛かりとしてはいいですが、カタカナやカタカナ発音は早い時点で意識して使わない方が良い!と個人的には断言したいです。

 

発音記号:流暢な英語発音への第一歩!リスニング力アップ!

正しい英語発音を学ぶことで、以下のようなメリットがあります。

・英語話者に自分の言っていることが伝わりやすくなる(スピーキング力の向上)
 →カタカナでは同じ表記になっていても、英語では実は全く発音が異なる単語も中にはあります。せっかくなら誤解のないコミュニケーションを取りたいですよね。

・英語話者の言っていることが聞き取りやすくなる(リスニング力の向上)
 →自分で発音できる音は聞き取れます!逆に言えば発音できない音声を聞き取るのは不可能ではないですが難しいです。

正しい英語の発音方法を学ぶことで、スピーキング・リスニングの学習速度が格段に上がることは間違いないです!オーラルの英語力をつけたい方は、ぜひともここでご紹介するような、英語の音声理論を学習していただくことをおすすめします。

また、これまで日本語だけを使ってきたごく普通の日本人にとって(特に大人になってしまうと)、ネイティブスピーカーのような英語の発音方法を獲得するのは困難ですが、訓練次第で近づけることは可能です。
難しく考えず、「英語筋」をつけるための筋トレと捉えていきましょう。
本当に最初は舌がつるような、筋肉痛のような感覚になります…が、筋トレと同様筋肉痛=英語筋を使えている、育てられているという足がかりになるかも。。

次項からは、具体的にそれぞれの発音記号をご紹介していきます。

 

発音記号の分類

ここでは、発音記号を分類ごとに見ていきます。
まずは子音と母音、そして子音の中でも有声音と無声音(清音と濁音というイメージ)とご紹介していきます。

母音と子音の違いですが、母音は日本語で言う「ア・イ・ウ・エ・オ」、子音はそれ以外の音声とまずはイメージしていただければと思います。

 

ここでは、発音記号を分類ごとに見ていきます。
まずは子音と母音、そして子音の中でも有声音と無声音(清音と濁音というイメージ)とご紹介していきます。

母音と子音の違いですが、母音は日本語で言う「ア・イ・ウ・エ・オ」、子音はそれ以外の音声とまずはイメージしていただければと思います。

 

発音記号一覧とそれぞれの読み方(子音編)

有声音と無声音

まずは子音の一覧から見ていきます。
というのも、実は子音のほうが既に日本語でも発音しているものだったり、日本語との違いが顕著なものがあったりで分かりやすいからです。

子音の中でも、有声音と無声音という分類に分けられます。
これらの違いは日本語で言う清音と濁音(「た」と「だ」のように点々がないものとあるもの)で、違いは発声時に喉が震えるか震えないかの違いです。

例えば、喉に手をあてて"s" と "z"をそれぞれ発音してみましょう。
「す」、「ず」と言ってはだめですよ!日本語のあ行以外には子音だけの音声というのはなく、「母音+子音」のセットなので正しい音声にはならないんです。ジョギングのように、軽く弾みながら息を吐いて…
s、s、s、s…
z、z、z、z…
と発音してみると、なにか気づきませんか?

そう、sとzで口の中と外いずれも発声時の形は同じなんです!
違いは喉が震えるか、震えないか。
喉が震えるzが有声音、震えないsが無声音です。
声を出すか(有声音)、声を出さず息だけで発声できるか(無声音)の違いと言い換えてもいいかもしれません。

sとzのように、子音は有声音と無声音がセットになっているものが大半なので、各セットでご紹介していきますね。(セットになっていない一匹狼の子音もいます)
有声音・無声音のセットで見ていくことによって、今まで「どうやって発音するんだろう?」と疑問だった音声が、少しずつクリアになっていくのではと思います。

ちなみに、母音はすべてが有声音です。子音+母音のセットになっている日本語の「す」や「ず」では正しい発声にならないと言ったのはこのためです。

 

子音一覧

下記の一覧をもとに、それぞれの読み方をご紹介していきますね。
口の形が同じでセットになっているものや、似ているもの・間違いやすいものはセットでそれぞれの音声の違いを見ていきます。
※音声を表すために一部カタカナで読み方を表記していますが、あくまで音声のイメージと捉えていただければと思います。

英語の子音一覧です。

一覧中の緑の網掛けになっている箇所は、口の形が同じで無声音/有声音のセットになっているものです。
/ p / と / b /

まずは、pとbです。
これらは分かりやすいと思います。日本語でいう「ぱ行」「ば行」の音が近いですね。
ただし、注意すべきなのは「ぷ」と「p」は異なるということ。「ぷ」だと「pu」になってしまうため、「p」で止めます。

そして、pとbは「破裂音」という種類の音声です。
唇で空気を破裂するようにして音を出しているため、破裂音といいます。

/ p /:上唇と下唇をつけ、唾が飛んでしまいそうな勢いでぷっ!とやります。

/ b /:pと同様にぷっ!とやりますが、今度は意識して声を出します。ぶっ!というイメージ。

 

/ t / と / d /

tとdも分かりやすいですね。日本語でいう「た・て・と」、「だ・で・ど」の音が近いです。
(ち、ぢ、つ、づはまた別の発音記号で出てきます!)

tとdも、pやbと同様、破裂音の一種です。
ただ、唇は使わず別の場所で破裂音を発生させます。

/ t /:トゥッ!と上前歯の後ろあたりで舌を使って音を出します。

/ d /:音の出し方はtと同様ですが、有声音なのでドゥッ!

 

/ k / と / g /

またまた分かりやすいですね。日本語でいう「か行」、「が行」の音が近いです。

kとgも破裂音の一種です。

どこで破裂音を…?と一瞬戸惑いますが、実はkとgを発声するときは、舌の根元部分が口の柔らかい天井(軟口蓋)に触れ、破裂音を発生させています。

/ k /:日本語の「く」とならないよう、クッ!と子音部分のみ発声します。

/ g /:kと同様ですが、今度はグッ!と有声音。

 

/ s / と / z /

sとzも日本語にはある音ですが、日本語でいう「さ行」、「ざ行」の「し」「じ」以外がsとzに近いんです。
※「し」「じ」はあとで出てきます。

sとzは、摩擦音という音声の一種です。
先程までのように空気を破裂させる音でなく、空気の摩擦で音声を出しているために摩擦音といいます。
破裂音は一回一回発声する必要がありますが、今回の摩擦音などは口の形を変えずに何秒も継続して音声を出すことができます。

/ s / :口を少しすぼめ、舌先を上前歯の付け根に近づけて空気を漏れ出すようなイメージでスーッと発声します。(音楽の授業などでやったことある方もいるのでは?)「sea」はこの音ですね。

/ z /:sと同様ですが、有声音なので声を出してズーっと発声します。ジップロックなどの「zip」はこの音です。

 

/ θ / と / ð /

ここでようやく、日本語にはない音が初登場です。数学記号のシータではないですよ!
英語の授業などで出てきて苦手意識のある方もいらっしゃるかもしれません…が、改めて練習してみると意外と簡単に発声できるかもしれません。
「th」の音がこれです。

θとðは、sやzと同様摩擦音の一種です。
摩擦する場所は、前歯と舌を使ってつくります。

/ θ /:上前歯と下前歯の間に舌をあて、歯と舌の隙間から風を通すようにして「th~」と発声します。「think」で使われているのはこの音です。

/ ð /:θの口の形のまま、喉を震わせて有声音を出します。ðがどこで使われているか?というと、例えば「this」や「that」の「th」部分なんですね。実は「ディス」や「ザット」では全く違う音になってしまっているので、要注意です!

 

/ ʃ / と / ʒ /

先程ちらっと出てきた、日本語でいう「し」と「じ」の音声がʃとʒに近いです。

ʃはsを引き伸ばしたような形で、ʒはzの下を引き伸ばしたような形をしています。(3ではないです)

ʃとʒも摩擦音にあたります。「sea」はsの音、「she」はʃの音になりますので、注意して練習してみてください。
また、「sit」と「shit」を間違えるとえらい恥をかいてしまいかねないため、それぞれの音の違いは注意してくださいね!

/ ʃ /:口の天井部分(硬口蓋)と舌先の隙間で風を通すようにしてシ~と発声します。静かに!という意味で「しー」というときに使われている音が近いですかね。「she」の他に、「ship」にも使われている音です。

/ ʒ /:発生方法はʃと同じで、ジ~と有声音で発声します。zや後述のʤと混同しないよう注意が必要な音声です。舌はどこにもつけないのがポイント。「usually」、「leisure」などで使われています。

 

/ ʧ / と / ʤ /

ʧとʤは日本語でいう「ち」と「ぢ」に近いのですが、特にʤは他のzやʒと混同しないよう、注意が必要となります。
ʧが「ち」に近いため、ʧの有声音バージョンと意識を巡らせて注意しながら練習していきましょう。

ʧとʤは破擦音という音声の種類です。

これは文字どおり破裂音と摩擦音の合いの子で、摩擦を伴った破裂音という意味だそうです。
これだけだとよくわからないので、実際に発声してみると分かりやすいかと思います。

/ ʧ /:口の天井部分(硬口蓋)と上前歯の根本付近に持ってきた舌を使って音声を出します。漫画の捨て台詞などでよくある「ちっ」が近いかもしれません(母音は入れないようにという意識は必要ですが)。「chip」、「match」などで使われていますね。

/ ʤ /:ʧと同様の口の形で、「ぢっ」と発音します。ʧは破裂音も伴うため、ʒとの違いは舌をつけるかつけないかになります。(ʤは上前歯の根元あたりに一度つきます)「jump」、「Japan」、「danger」などで使われています。

 

/ f / と / v /

fとvは日本語でいう「ふぁ」、「ゔぁ」が近いです。
fは分かりやすいですが、vはちょっと注意が必要ですね。というのも、日本語の「ゔぁ」は「ば」に置き換えられてしまっているケースが大半のためです。(エヴァンゲリオンの略語のエヴァエバの違い…といえば分かる人には分かるかな)
とはいえ、fの有声音バージョンと意識して練習していけば、徐々に違いが分かってくるかと思います。

fとvは摩擦音の一種になります。

/ f /:上前歯に下唇を軽く当て、ふ~と風を通すようにして発声します。「family」、「film」、「transfer」など、まんまfが使われている単語で使われていることが多いですね。

/ v /:fの有声音バージョンで、ゔ~と風を通すように発声します。bと大きな違いは、破裂音か摩擦音かということ。破裂音であるbは一回一回発声ごとに唇を動かす必要がありますが、vは継続してゔ~と音を出すことができます。「vacation」、「reverse」などで使われていますね。

 

/ h /

hは取り立てて難しい音声ではなく、また日本語の「は行」に近いのですが、一部fとの混同に注意が必要だったりしますので、油断せず。

ちなみに、hは声門で発する摩擦音であるため、声門摩擦音といいます。

/ h /:ため息を吐くように、は~と息を出します。「hood」、「who」、「behave」などで使われています。

 

/ l / と / r /

lとrは口の形は全く異なりますが、日本人が混同しやすい子音のためまとめてご紹介します。
lは日本語の「ら行」と近いと言われることがありますが、実は全く違う音になります。
どちらも練習あるのみなので、まずは音ベース、そして単語ベースで練習を重ねていきましょう。

/ l /:発音の方法は色々ありますが、上前歯の裏側の歯茎に舌先をつけて、舌の両脇から空気を出すようなイメージで発生するとやりやすいかと思います。声を出したまま歯茎につけた舌を離すと、「ルッ」というような音が出ます。これがlの音です。「light」や「lead」、「adult」など、lで表記されているのはこの音が多いです。

/ r /:こちらも発音の方法は一つではありません。舌先をどこにも付けないまま上側にくるっと丸め、音を出すと「r~」というような、英語で聞いたことのあるような音が出るかと思います。他にも、舌の付け根あたりだけを上に持ち上げ、舌で坂をつくるような形にしても同じような音が出るようです。やりやすい方で構いません。
「right」や「read」など語頭にくる単語の他にも、「teacher」や「turn」など語中で使われるパターンもあります。(これはアメリカ英語だけなのですが…アメリカ英語・イギリス英語などはまた別の記事で!)

 

/ w /

wは、日本語でいう「わ行」に近いようで近くない音声です。
というのも、wは唇を丸めて発生するため、日本語の「わ」ではないのです。(どちらかというと、「ぅわっ」に近いかもしれません)
「ぅ」+「わ行」といえばイメージしやすいかもしれません。

/ w /:上記のとおり唇を丸めながら、舌の根元を口の柔らかい天井(軟口蓋)部分に近づけ、ぅわっというように発声します。「wing」、「wow」、「work」などそのままwに使われることが多いですね。

 

/ n / と / m / と / ŋ /

nとmとŋもlやrと同様、口の形は全く異なりますが混同しやすい部分もあるためここでまとめてご紹介します。
nやmは日本語でいう「な行」、「ま行」に近いこともあるのですが、実は「ん」に近い場合もあるんです。
日本語の「ん」は、場合によって(前に来る音によって)n、m、ŋに変わります。実は、無意識に日本人が使い分けている音であり、また無意識であるため意識して使い分けるのがなかなか難しい音声でもあります。

nとmとŋは、発音する場所は異なれど、同じ鼻音として分類されています。

/ n /:歯茎に舌先をつけて発声します。日本語でいう「な行」や、「ん」だけを発音する際と同じ感覚です。「net」、「sun」、「wind」などに使われています。

/ m /:両唇を合わせて発声します。日本語でいう「ま行」を発音する際と同じ感覚です。また、「hammer」、「symphony」、「simple」など特定の音の前にンが来る際には、「m」の発声になります。「んまあ」といったときの「ん」は、mの音です。

/ ŋ /:舌の根元を口の柔らかい天井(軟口蓋)部分に付け、発声します。「んが」と発音したときの「ん」は、ŋになります。鼻にかかったような音ですね。「singer」、「king」、「tongue」などに使われています。

 

/ j /

子音の最後は、jです。ややこしいですが、「じゃ」ではなく、日本語でいう「や行」の音です。
「や行」なので、「やいゆえよ」がjの音になります。
yearが「an year」ではなく「a year」なのは、jの音が子音だからなんですね。

/ j /:舌の根元を口の天井部分(硬口蓋)に近づけ、その間から音を出します。「year」、「yield」、「young」などyの音で使われることが多いです。

 

 

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お互いに疲れちゃうので今日はここまでにしておこうか。

次回の英語編では発音記号の母音を紹介するよ~。

Stay tuned!